接頭辞が分かれば英単語がどんどん身につく!イメージとニュアンスで覚えよう

接頭辞が分かれば英単語がどんどん身につく!イメージとニュアンスで覚えよう

今回は英語の接頭辞(prefix)についてです。接頭辞を覚えることによって、初めて見る単語の意味を推測できるようになったり、単語を覚えるのが効率的になったり、長期記憶につながったりするメリットが生まれます。

英語学習において、覚えなければいけない単語数は膨大です。やみくもに片っ端から覚えようとするより、単語の仕組みを理解することによって大幅に時間を短縮することができます。

本記事では代表的かつ頻出度の高い接頭辞を中心に紹介していきます。覚えておいて必ず損はしないので、確実に身につけていきましょう。

接頭辞とは~基本編

接頭辞とは~基本編

接頭辞とは、単語の頭に付いて意味を加えるものです。これは英語の語源というものに関わってきます。下記記事で英語の語源についてと接頭辞の基礎知識を解説しているので、できれば先に目を通していただいたほうがより深い理解につながるでしょう。

一応ここでも少しだけ触れておくと、英単語は基本的に「接頭辞+語根+接尾辞」で構成されており、「de-(接頭辞)」+「pend(語根)」+「ent(接尾辞)」で「dependent」という単語になったりします。ただし接頭辞+語根のみや語根+接尾辞のみのような単語も数多くあるんです。

まずは代表的な接頭辞を覚え、そこから作られる単語を覚えていくのが近道です。が、最初にひとつ例を挙げて説明しましょう。まずひとつ理解すれば、あとはそこからイメージをふくらませて覚えていくことが可能です。

ex = 外に

接頭辞としての「ex」の基本的な意味は
外へ・外に(out)」です。

内から外へはっきり出る

というイメージで覚えてください。

まずは簡単なところから紹介すると、

ex(外へ)+port(運ぶ)
=export(輸出)

「外へ」という意味の接頭辞「ex」に、「運ぶ」という意味の語根「port」が合体して「export(輸出)」という単語になります。これは非常に分かりやすいですね。ところがそう簡単なものばかりではありません。

ex(外へ)+clude(閉じる)
=exclude(~を除く)

これはちょっと「ん?待って?」と思う人もいるのではないでしょうか?まあ落ち着いて聞いてください。

詳しく解説すると、まず「ex」が外へ出るという意味ですよね。「clude」はcloseとほぼ同じで「閉じる」という意味になります。つまり合体すると「外へ出して閉じる」という意味になり、そこから「~を除く」という意味になったんですね。

ここまで来ると正直、「ああなるほどね、そういうことだったんだ」と納得する人と、「そんなの無理があるだろ、分かんねーよ!」という人の両極端に分かれてくると思います。後者の人もちょっと待ってください。英語は日本語と違います。英語を理解するには英語のニュアンスというものを身につけなければなりません。

英語を勉強するにあたっては、日本語で考えることから脱却して英語を英語のまま理解する『英語脳』を作ることが最重要です。英語を英語のまま理解するには、日本語訳で覚えるのではなく「イメージ」「ニュアンス」で英語を感じ取る必要があります。

英語脳の必要性に関しては、下記リンク先もご覧ください。

それでは、イメージとニュアンスの重要性を念頭に置きながら他の単語も見てみましょう。あくまで「ex」という接頭辞の「中から外に出るイメージ」を忘れないようにしてください。

ex(外へ)+press(押し出す)
=express(表現する)

これは「内から外へ押し出す」というニュアンスから「表現する」という意味になっていますね。だんだん「あ、そういう感じね」というイメージがつかめてきましたか?

ex(外へ)+ceed(行く) → exceed(超える・上回る)
ex(外へ)+change(変える) → exchange(両替)

他にもexit(出口)、exception(例外・除外)、exhibit(展示する・示す)などがあります。exhibitは「exhibition(エキシビション)=展示会・展覧会」の動詞バージョンですね。これらのように「語根がラテン語を元にしている単語」も多く、イメージしづらいものもあるのは正直なところです。

また、追い打ちをかけるようですが「ex」には「完全な」「正確な」という意味をもつこともあります。これはローマ時代に天秤で重さを測る生活習慣があったことに由来するそうですが、ややこしいので割愛。とにかく次のような単語もあることだけ覚えておきましょう。

ex(完全に)+act(行う)→ exact(正確な)

ここまでで接頭辞とはイメージとニュアンスだ、ということが何となく分かってきたでしょうか?

覚えておきたい基本的な接頭辞

覚えておきたい基本的な接頭辞

それでは他にも基本的な接頭辞を見ていきましょう。頻出する単語も多いので必ず押さえておきたいところです。

in = 中に

これは「ex」の反対ですね。例えば下は、先ほど出てきたexclude(~を除く)の逆です。セットで覚えておきましょう。

in(中に)+clude(閉じる)
=include(含める)

他の例も見てみましょう。

in(中に)+come(入ってくる)
=income(収入)

これは「中に入ってくるもの」だから「収入」ということになるんですね。まるでとんちが効いたクイズみたいです。

他にも見てみましょう。下は名詞の前にinが付いた例です。

in(中に)+door(扉)
=indoor(屋内の)

in(中に)+flame(炎)
=inflame(怒りをあおる)

上は分かりやすいですが、下はちょっと分かりにくいですね。人の心の中に火をつける→怒りをあおる、といったようなイメージです。

さて、「ex」が「外へ」という以外に「完全な」という意味を持つように、「in」も「中に」という意味だけでなく「否定」という意味で使われることもあります。これはもうそういうものだと諦めて覚えましょう。

in(否定)+visible(見える)
=invisible(目に見えない)

in(否定)+correct(正しい)
=incorrect(間違った)

in(否定)+efficient(効率的な)
=inefficient(効率の悪い)

com = 共に

接頭辞「com」は「共に」という意味。togetherとほぼ同じです。

com(共に)+plete(満たす)
=complete(完了する)

「共に満たす」という意味から「完了する」という意味になったんですね。他にも「communication(コミュニケーション)」「community(コミュニティ・地域社会)」「combination(結合・コンビネーション)」などがあります。

さてこの「com」ですが、後に続く音次第で「con」や「co」に変化するという特徴があるので注意が必要です。以下がその例。

con(共に)+tribtute(与える)
=contribute(寄付する)

con(共に)+tract(引く)
=contract(契約する)

co(共に)+worker(働く人)
=coworker(同僚)

co(共に)+exist(存在する)
=coexist(共存する)

また「ex」や「in」で出てきた「exclude(~を除く)」「include(含める)」と同じ語根「clude」を使うと以下のような単語になります。

con(共に)+clude(閉じる)
=conclude(結論を下す)

「ex」や「in」のように逆の意味でなくても、語根が同じで異なる意味に変化するのは面白いですね。

re = 後ろに戻す・再び

これまたよく目にする接頭辞「re」。「後ろに戻す」「再び」というような意味ですが、日本人にもなじみ深いので分かりやすいのではないでしょうか。

re(戻る)+action(動く)
=reaction(反応)

re(戻る)+turn(振り向く・回転する)
=return(帰る)

re(再び)+born(生まれる)
=reborn(生まれ変わる)

re(再び・戻る)+store(場所・持ち主)
=restore(復元する)

他にも栄養ドリンクでおなじみのregain(取り戻す)、receive(受け取る)、reply(返事をする)、retake、remake、restart…など枚挙に暇がありません。

sub = ~の下

接頭辞「sub」を使った単語で一番有名、かつ分かりやすいのが「submarine」ではないでしょうか。The Beatlesにも「Yellow Submarine」という曲がありますね。

sub( ~の下)+marine(海の)
=submarine(潜水艦)

海の下だから潜水艦。分かりやすいですね。他にもsub+way(道)で地下鉄とかも、比較的分かりやすいのではないでしょうか。

ちょっと分かりづらい例で言うと「subscribe」。昨今では当たり前になった「subscription(サブスクリプション=サブスク)」の動詞ですね。これは定期購読するという意味に限定されず、もともとは「署名する」「同意する」「申し込む」といったような意味になります。

sub( ~の下)+scribe(書く)
=subscribe(定期購読する、署名する)

これは、書類の下の方に名前を書く→署名する→定期購読する、といった流れで意味が生まれていったようです。

dis= 否定・離れて

接頭辞のdisには2つの意味があります。ひとつは「否定」。和製英語の「ディスる」の元としても有名ですね。「ディスる」は「disrespect(ディスリスペクト=軽蔑する・侮辱する)という単語から来ていて、本国アメリカのヒップホップの系の人達も略して「diss」などとスラング気味に言い、日本とほぼ同じ意味で使われます。

dis(否定)+respect(尊敬する)
=disrespect(軽蔑する・侮辱する)

dis(否定)+close(閉じる)
=disclose(開示する・暴露する)

dis(否定)+cover(~を覆う)
=discover(発見する)

dis(否定)+ease(安心)
=disease(病気)

ほかにもdisappoint(失望させる)やdisagree(同意しない)、dishonest(不誠実な)などがこれに当たります。

disのもうひとつの意味が「離れて」です。distant(離れて)やdistinguish(区別する)などの単語があります。これらは「否定」というほどの強いイメージを持ちませんが、disという接頭辞自体がマイナスのイメージを持っていると考えて間違いはありません。

disという接頭辞を見たら、何らかのマイナスなニュアンスを感じ取れるようになれば一歩成長です。

まとめ

まとめ

今回は覚えておきたい接頭辞について解説してきました。もちろんまだまだ接頭辞はたくさんありますが、本記事で紹介したものを覚えておくだけでもかなりの数の単語が覚えやすく・忘れにくくなるでしょう。

それだけでなく、同じ接頭辞が付いた初めて見る単語に出会ったとき「もしかしたらこんな意味では?」という風に想像・予想しやすくもなります。

今回は接頭辞だけしか触れませんでしたが、接尾辞にもいろいろ覚えておきたいものがたくさん。いずれ他の記事で詳しく説明していきますね。

BRIT編集部
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