40代から英語の勉強を始めるのは遅すぎ?独学でも身につけられるのか考察してみた

40代から英語の勉強を始めるのは遅すぎ?独学でも身につけられるのか考察してみた

読者の皆さんの中には40代以上の方もいらっしゃると思います。その中でも若いころから英語の勉強を続けている人もいれば、これから英語の勉強を始めたいけど身につくかどうかで迷っている人もいるでしょう。

今回は40代から英語の勉強を始めても身につくのか?また独学で学習することはできるのか?というテーマで「大人から始める英会話」について考えていきたいと思います。

「どうせこの歳から始めても…」とか「せっかくやってもあまり効果がでなければ時間の無駄…?」などと思っている人にはぜひ読んでいただきたい内容です。

大人になってからの英語勉強は決して遅くない

大人になってからの英語勉強は決して遅くない

英語に限らずですが、大人になってからだと「その年齢からだともう遅い」とか「無駄とは言わないが、学習効果は子供のころより劣る」という意見を目にしたことはありませんか?

人によっては、学術的・医学的見地を踏まえてそれを述べる人もいます。多くは「こういう理由で大人になってから学習して身につけるのは大変である、しかし無理ではないのであきらめずにやってみましょう」といった論調です。

しかしそもそも、本当に大人は子供と比べて学習能力が低いのでしょうか?記憶力の低下や柔軟性などが学習して身につくのを妨げているのでしょうか?

年齢が若いほうが英語習得に有利な理由

結論から言って、年齢が若いほうが英語習得には有利です。しかしそれは、記憶力が衰えていないからとか脳が柔軟だからというわけではありません。問題は使える時間にあるのです。

英語習得にかかる時間は、初心者からはじめてある程度英語を流暢に話せるまでに1200時間ほどと言われています。1日2時間とすると600日、3時間だと400日、4時間でも300日かかります。(ただしこれは「本当に1から」の場合で、ある程度義務教育を受けている人はもっと短くなる可能性はあります)

仕事をしていたり家事や育児のある40代が1日2時間の勉強を毎日欠かさず行うというのは、ほとんどの人にとっては大変ですよね。スキマ時間をうまく見つけて30分~1時間ならまだ、という気もしますが毎日2時間とれるという人は少ない気がします。

一方、これが子供のころだとすると1日2時間の勉強って大したことない気がしませんか?(人によっては大したことだと怒るかもしれませんが、実際朝から夕方まで学校の授業を受けていたわけですよねw)3時間・4時間としても学生のころであれば驚くような勉強時間ではないはずです。放課後塾に通ったり、宿題をすることを考えればなおさらでしょう。

部活で忙しかったり、親の家業を手伝わなくてはならないなど例外もあるかもしれませんが、基本的には子供の方が自由になる時間は多いはず。そのぶん勉強に充てられる時間も多くなります。一方、大人は前述したように日々の忙しさで時間を作ること自体がまず困難です。

つまり、年齢が若い方が英語習得に有利な理由は大人より時間が作りやすいからであって、大人が子供より記憶力が劣るとか脳が衰えているからではないと思ってください。

大人だから遅いわけではなく、時間をどのように作れるかが問題

もちろん現実的には記憶力の衰えなどあるのかもしれませんし、「小さい子供は勉強しなくても英語環境があれば話せるようになるじゃないか」という人もいるかもしれませんが…

「大人だから勉強しても無駄」とか「この歳になって始めても意味がない」なんて考えるよりも、「時間さえ取れれば学習能力が子供に劣っているわけではない」と考えたほうが希望が持てませんか?

もちろんただの理想論ではなく、実際に40代を超えてからでも勉強して話せるようになった人は存在しますし、多くの英語指導者が「年齢は関係ない」「40代からでも遅いなんていうことはない」と断言しています。中には69歳で仕事を退職してから40年以上ぶりに勉強を始め、72歳でTOEIC860点と英検準1級を取得した人もいらっしゃるとか!

「もう歳だから…」なんて言うのは自分に対する言い訳。英語を身につけたいと思っているのなら、今その思いこそが真実です。仮に若い方が有利だとしても、英語の勉強をやめる理由にななりません。

年齢を重ねても記憶力は持続する

「記憶力が衰える」という件に関してですが、こんな研究もあります。

「加齢とともに知能は深まっていく」

どういうことかというと、人は生きていくうえでさまざまな経験をし、新しい知識をどんどん覚えていきます(とりたてて勉強などしなかったとしても生きているだけで増えていく)。つまり脳の中に情報量が増えていくので、大人のほうが知能が高いというのです。

また脳の中にある知識には「流動性知能(りゅうどうせいちのう)」と「結晶性知能(けっしょうせいちのう)」の2種類があるといいます。結晶性知能とは、経験や知識の蓄積によって成長し続ける知能のこと。一方、流動性知能とは経験の有無に関係なく素質そのものの能力。IQテストなどで測るものがこれになります。一般的に「自頭(じあたま)が良い」などと呼ばれる人は、この流動性知能が高いことを示しているのが多いようですね。

結晶性知能はもちろん勉強や経験によって成長していきますが、流動性知能に関しては生まれ持った才能のようなイメージのため成長できないと考える人もいました。しかし最近の研究では、流動性知能も脳トレなどのトレーニングで成長できるそうです。

つまり、年齢と脳の能力の低下はそれほど関係なく、トレーニングによって成長できるということです。

なので「自分はもう歳だから記憶力が低下している。いまから勉強しても無駄なのでは?」などと考えるのは、その考え方じたいが無駄だと言い切ってしまいましょう。

むしろ勉強することによって脳はさらに活性化され、記憶力も知能も高まると考えたほうがよさそうです。

40代が効果的に英語を勉強する方法とは

40代が効果的に英語を勉強する方法とは

40代からでも英語が話せるようになることは可能です。ではいったいどのような方法で勉強するべきでしょうか?やはり英会話教室に通うべき?それとも独学でできるようになるものでしょうか?

結論から言うと、たとえ英会話教室に通ったとしても独学での勉強は必須です。お金と時間に余裕があれば英会話教室に通うことは検討してもいいと思いますが、独学する時間を取れないのなら英語を身につけるのは不可能といってもいいでしょう。

こんなことを言うと、「あぁやっぱり自分には無理だ…」と思ってしまう人もいるかもしれません。しかしちょっと待ってください。子供のころより時間が取れないのが大人の悩みではありますが、そのぶん頭を使えば効果的に学習することは不可能ではありません。

目的を明確にして学習計画を立てる

ただでさえ忙しい大人ですから、勉強の計画を立てて確実にやっていくというのが一番重要です。そのためには明確な目標が必要。「それは分かるんだけど、そういうの苦手なんだよな…」という人もいるでしょう。分かります。目標を立てたり計画を立てたりするのは面倒なものです。ですが、大人になって仕事や家事で忙しい現実の中で英語を身につけようと思ったら目標がないととてもモチベーションが続くものではありません。

ただ、この場合の目標というのはなんでもいいんです。

・海外旅行で現地の人と英語でコミュニケーションできるようになる

・好きな映画・海外ドラマを字幕なしで観られるようになる

・サッカーなど海外のスポーツ観戦の実況を英語で理解できるようになる

・仕事のスキルアップ・転職・副業のため

ただし、なんでもいいから明確な目標を持たないとそこに到達するためのプランが立てられません。まずは「こうなりたい!」という具体的な目標を作りましょう。

無理な学習計画は立てない

英語能力の上達は、勉強にかける時間とそのまま比例します。かといって無理な計画をたてても実行できなければ意味がありません。

本当のところをいえば、毎日2~3時間の勉強時間を確保できればいうことはありません。ですがそれが難しいのが大人というものです。いきなり「毎日3時間勉強する!しかも単語と文法と発音を必ず!」なんていう計画を立てると実際にやってみてできなかった場合「やっぱりダメだ…」と挫折する原因にもなりかねません。

最初は「毎日30分」でも「毎日1時間」でも構いません。忙しくてできない日があったらその分は休日にプラス1時間、でも構いません。大人にとっては「毎日1時間」を実行するだけでも大変なものです。しかしそれが普通にできるようになると「できる!」という自信と満足感が生まれます。

ある程度できる習慣が身についたら、1日2~3時間に計画を立て直してみるのもいいでしょう。その頃には、英語を勉強して身につける満足感や楽しさが分かるようになっているでしょうから。

難易度の低い勉強から始める

いきなり難易度の高い学習から始めないことも重要です。お分かりかと思いますが、挫折する可能性が高いからです。まずはあらためて基礎的な部分を身につけることから始めましょう。そういう意味では、いきなりオンライン英会話を始めたり、英会話カフェに行ったりするのはおすすめできません。

では何から始めればいいのかといえば、中学英語です。中学英語をマスターすることによって、あなたの英語力はかなり前進します。学生時代にある程度英語が得意だった人は復習も兼ねて、学生時代にあまり英語の勉強をしなかった人はあらためてここをマスターすることを目標にしましょう。中学英語の重要性については下記リンク先に詳しく書いています。

また大人の英語のやり直しに関しては下記も参考にしてください。

完璧を目指さない「割り切り」も重要

英語が上達するために一番必要なのは、ずばり「時間」です。前述したように英語力の上昇は勉強した時間に比例しますから、いかに勉強時間を確保するかにかかっています。しかしこれも説明したように、大人が勉強時間を作るのはなかなか難しいものです。

そこで考えたいのは、「完璧に習得する必要はあるのか?」ということです。

もちろんネイティブ並みの英語力が手に入れられるのならそれに越したことはありませんが、実際問題3000時間の勉強をするのに5~6年かけるというのもあまり現実味が感じられませんよね。

要は「どうしたいか」です。映画を字幕無しで観られるのが目的なのか?外国人と日常会話ができることが目的なのか?はたまたビジネス英語をマスターしたいのか?

多くの場合、「完璧に英語をマスターする」必要性はあまり無いように感じます。

であれば、目的を決めてそれに対応する学習内容に絞って勉強した方が効率よく習得できます。TOEICで900点を取るという目標はそれはそれで素晴らしいですが、必ずしもそこを目指す必要性はないということです。

具体的には、「ある程度の英語を話せる」ことを目標とするならば、「聞く」「話す」勉強を主にすべきであり、「読む」「書く」の勉強はそこそこでいいということです。

ただし「読む」「書く」の勉強を全くしなくていいというわけではありません。リスニング・スピーキング・リーディング・ライティングのスキルはそれぞれ密接に関わっているため、最低限の勉強は必要です。詳しくは下記リンクも参照してください。

日本人は義務教育の影響なのか、なんでも最初から100%を目指さなければならないと思いがちです。ただでさえ時間のない大人なのですから、「そこそこでいいや」と割り切った考え方をすることも挫折を防ぎ長続きするひとつのコツだと思いますよ。

まとめ

まとめ

今回の記事で特に、特に声を大にして言いたいのは「40代から英語を勉強するのは決して遅くない!」ということです。

理由についてはさんざん説明してきたので繰り返すのは止めますが、何より諦めてしまうことがもったいないと思うのです。

「もう遅い」ではなく、英語を勉強したいと思っている今こそが一番若いときなのです!迷ってズルズル始めずにいれば歳をとっていくだけなのですから…

むしろ「今が最後のチャンス」と思って一歩踏み出すべきです。これを読んでいる人は、少なからず「英語を勉強したい」という思いがあるはずですから、その思いを大切にして、無くす前にトライしていただきたいのです。

皆さんの英語学習への意欲の後押しをするのに、当サイトが少しでもお役に立てれば幸いです。

BRIT編集部
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