英語の速読を身につけて総合力UP!「スキャニング」や「スキミング」も駆使しよう

英語の速読を身につけて総合力UP!「スキャニング」や「スキミング」も駆使しよう

英語学習において「速読ができることが大事」と聞いたら、読者の方々はどう思われるでしょうか。

「TOEICとかを受験するなら分かるけど…」

「まだ基礎がしっかりしていないうちに速読なんて逆効果じゃないの?」

…はい、おっしゃる通りです。しかし逆に言えば、TOEICを受験しようとしている人にとっては大きな力になりますし、ある程度基礎が固まった英語学習者にとっても総合的な英語力をアップさせることができるので、大きなメリットになります。

今回は英語の速読ができることでどういったメリットがあるのか・実際に速読する際のコツや気を付けたいポイント・速読を可能にするための学習方法などについて解説していきたいと思います。

また当然のごとく今回の話題は、リーディングの学習と深い関わりがあります。リーディングについて先に下記記事を読んでおくと、内容がより理解しやすくなるかもしれません。

英語を速読するメリットとは

英語を速読するメリットとは

まずは、英語を速読するメリットとは何かという話です。冒頭でも触れたように英語学習初心者にとっては、辞書を使ったり構造などをじっくり精読しながら読むことも文を理解するうえでは重要です。大して理解できないのに高速で読み飛ばしても力にならないのは皆様も思っているとおり。

ただし、ある程度の力がついている英語学習者にとってはさまざまなメリットがあります。

TOEICなどの試験で役に立つ(というか必須)

TOEICなどの試験で速読が役に立つのは言わずもがなですが、役に立つというよりは必須です。長文読解問題を解く際に、ゆっくり読んでいては絶対に時間内には終わりません。

TOEICをはじめとして、入学試験などでも最近は長文読解問題の比率が高く、内容も難しくなってきているようです。

基礎的な単語力・文法力などが不足しているのは問題外ですが、単語や文法の意味が全て分かったとしても読むスピードが遅ければ時間切れになってしまうのです。

ビジネスシーンや授業でも役に立つ

あなたがもし英語を使う必要がある仕事に就いているのであれば、英文のメールや書類を読むことがあるでしょう。メールならまだしも、会議で渡される英文の資料などであればゆっくり長々と時間をかけて読む暇などありません。よってここでも素早く読んで内容を理解する速読力が必要となります。

またもし英語で授業を受ける学生であれば、授業やレポートに必要な資料を集める必要が出てくるかもしれません。英語の速読ができれば、インターネット上にある大量の英語で書かれた情報にアクセスでき、日本語で書かれたサイトだけを調べるより遥かに多くの情報を入手できます。

自然に多読ができるようになる

英語学習で重要なトレーニングのひとつに多読がありますが、この多読はそもそも読むスピードを上げる練習方法としても使われます。

しかし結果的に速読力がつけば、同じ時間を費やしてもより多くの英文を読むことができるようになり、さらなる英語力のアップに繋がるのです。

英語というのはインプットした量が多ければ多いほど、アウトプットできる引き出しも多くなります。大量の英語に短時間で触れることができるようになるというのは単純に大きなメリットです。

ただし、質のいい文章に多く触れた方がいいというのは覚えておきましょう。やみくもにどんな英語でも吸収しまくればいいというわけでもありません(全く吸収しないよりはマシかもしれませんが、英語学習としての効率は悪くなります)。

英語の多読について詳しく知りたい方は下記記事を参照してください。

集中力・記憶力を高められる

速読というのは、気が散っていたり他のことを考えながらできるものではありません。速読しているということは、とても集中している状態だということです。同時に、速読は速いスピードで情報を処理する力が必要になってくるため脳が活性化されます。これによって記憶力を鍛えることにもなるという説があります。なまじ間違ってはいない気はしますよね。

速読ができるようになるコツとは

速読ができるようになるコツとは

速読ができるようになるためには、ただやみくもに読めばいいということはありません。コツをつかんで正しいトレーニングをする必要があります。

コツ①英語を英語のまま理解する

速読に限らずですが、本当の意味で英語を身につけるためには英語を日本語に訳すのではなく英語を英語のまま理解することが必要です。

これは当サイトでも何度も述べていることです。英語を英語のまま理解する「英語脳」を作るのが英語を学ぶうえで最も重要になってきます。

ではどうしたら英語脳になるのかといえば、英語の語順を理解することが重要。いちいち日本語に訳さず英語の語順どおりに読めるようになれば、読むスピードは格段に上がります。

英語の語順を理解することの重要性に関しては、下記記事を参照してください。

英語をいちいち日本語に訳す人というのは、どうしても返り読みをしがちです。日本語として正しい文章に翻訳しようとするので返り読みをするんですね。お分かりのように、返り読みをしていては英語を読むスピードはいつまでたっても速くなりません。

返り読みをしてしまう人は、意図的にでもそのクセをなくすよう今から努力していきましょう。「返り読みをしないようにする」は、英語学習において必須ですよ!

コツ②スキャニングやスキミングを駆使する

TOEICなどで高得点を狙う場合、長文読解問題を時間内にすべてきちんと読んで理解するのは至難の業、というかほぼ無理です。

ではどうするのかというと、要点を見極めること。文章をすべて理解するのではなく、結局何が言いたい文章なのかを探すのです。そのためには、大事なところや読まなくていい場所を読み飛ばすことも必要。それをやるためにはいくつかの重要なテクニックがあります。

スキャニング(scanning)を使いこなす

リーディングについての記事でも軽く紹介したスキャニング(scanning)という方法は、速読でさらに威力を発揮します。

具体的には、特定のキーワードを探してその周辺だけを読み、必要な情報を理解します。このテクニックのポイントは、設問がありきというところです。設問があって探さなければならないキーワードが分かっていないと、このテクニックはそもそも使えません。

例えば、「Where did Jane go yesterday?」という設問があったとします。この場合キーワードとなってくるのが「Jane」「went」「yesterday」などという単語です。これらの単語を長文の中から探し、その周辺の文章を重点的に読むことによって答えを探し当てます。

ひとつ注意点としては、「必ずしも探しているワードで説明されているとは限らない」ということです。例えば長文問題で「company(会社)」についての設問があったとします。通常は「company」で探すところですが、必ずしもcompanyという単語を使って説明されているとは限りません。

似たような意味のフレーズとしては「business」や「corporate」など。companyという単語ではなくこれらの類似語を使って説明されているというのは十分に考えられることです。

ここで必要となってくるのが「言い換え力」。同じことを違う言い方で伝えることができれば英語の表現力は格段に上がりますし、また文章の中から答えを探すときに「この単語では見つからないけどこの単語なら見つかるかも」という探す力がアップします。

英語の言い換えについては下記記事の内容を参考にしてください。

これらのポイントや注意点に気を付けてスキャニングを行えば、英語の長文リーディングに大きな力を発揮してくれるのは間違いありません。特にTOEICなどの長文問題に関しては必須級のテクニックといえるでしょう。

「スキミング(skimming)」を使いこなす

スキム(skim)とは、スプーンで上澄みをすくう動作のこと。転じてスキミング(skimming)とは、長文の中の重要な部分だけを探して読むことを指します。スキャニングとの違いは、単語で探すか場所を探すかの違いといってもいいでしょう、大事なことが書いてある場所にアタリをつけて、そこだけを拾い読みするイメージです。

「大事なことが書いてある部分を見つけるのって、それ自体にテクニックが必要なんじゃないの?」と思った方、正解です。ある程度の英語力がついている人でないと、スキミングは使えません。というより、学習効果に悪影響すら出る可能性があります。基礎的な英語力が身についていない人はまずそこから始めましょう。

ある程度の力がある人なら、英語の文章構造を見抜くことによってスキミングができます。

多くの英文では「要約」という部分があるはずです。「この文章はこんなことが書いてあるよ」という、まさしく要約ですね。まずはこれを探して文章の大意をつかむことが重要です。

次に大事なのは段落の頭と最後です。ここには段落単位で、その部分のポイントが記されています。要約と段落の頭と最後の意味を理解することによって、その長文の要旨はだいたい理解できているはずです。

これができるようになってくると、全文を読む必要が無くなり長文を読む時間を大幅に減らすことができます。

どれくらいの速度で読めればいいの?

どれくらいの速度で読めればいいの?

「速読」というからにはダラダラ読んでも意味がないのは言うまでもなくお分かりかと思いますが、じゃあどれくらいの速さで読めばいい?どこからが速読になるの?という疑問が当然出てくると思います。

ちなみにネイティブの読書スピードは?というと、ある論文によれば「分速約300ワード」が標準だそうです。1分間に300語ということですね。これが4択問題とかになると、選択を選ぶ時間が増えて当然スピードが落ちるので、分速約200ワードくらいになります。

ではノンネイティブの平均は?という話になると、分速約250ワードだそう。ただしこれは文の中に知らない単語がない場合で、知らない単語や文法が出てくればそれよりもっと落ちることになるでしょう。ちなみに日本人の平均は80~100ワード程度。かなり遅めですね。

では結局、英語学習中の人たちがどのくらいの速度を目標にすればいいかというと1分間におおよそ200〜300ワードが目安ではないかということになります。ネイティブより速くなる必要もあまりないでしょうし、かといって遅すぎても…というのがこの間くらいになるのではないでしょうか。

とはいえ、1分間に200ワードがどれくらいのものなのかピンときていない人の方が多いのではないでしょうか?こればかりは実際にやってみないと何とも理解しずらいというのが正直なところです。

一番いいのは、全部の語数が書いてある教材を選んでそれを読み、かかった時間を測ることです。それで自分がどれくらいのスピードで読めるのか、おおよその目安が分かるはず。

適当な教材が見つからなかった場合は、英語の語数をカウントしてくれるサイトが検索すればすぐ出てきますので、それを利用するのもいいでしょう。

参考までにいくつかご紹介しておきます。

英語文章の単語数カウント
英単語カウンター

まとめ

まとめ

今回は速読の重要性についてお話してきましたが、皆さんの中には「早く読めればいいってものでもないんじゃない…?」なんて思っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ひとつ勘違いしてほしくないのは、日本語の速読と今回お話しした英語の速読とは違うということです。日本でも速読の教材などいろいろありますが、正直なかにはちょっとうさんくさいようなものもありますよね。

ですが今回お話しした英語の速読というのは常人離れした速度で読むことではなく、あくまで「ネイティブに少しでも近いスピードで読めるようになろう」ということです。

そこをはき違えて「速読なんて自分には必要ない」なんて安易に判断してしまわないよう、今回の記事をぜひ参考にしてください。

英語を速く読めるようになることは、「できればやった方がいい」ではなく必須と思って取り組むことを推奨しますよ!

BRIT編集部
【この記事を書いた人】BRIT編集部 大人のための英会話の勉強方法や話題の英語教材をご紹介しています。
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